この記事では、ゼロからマーケティングを学びたいと思っている方向けに、いわゆる「マーケティングとはなにか?」がわかるような解説記事を書いていこうと思います。
マーケティングという言葉は、「よく耳にする言葉ではあるけど、実際にどの様なシーンで、何が行われているのかは、よくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事を読んでいただきたい方は、
- これまでマーケティングに携わったことが無い方
- マーケティング部に配属した(い)方、業界を越えて転職した(い)方
- 何らかのサービスを提供していきたい方・すでに提供している方
のような、ゼロからマーケティングについて知りたい・理解したいという方に向けて書いています。
正直、普段の生活では、「マーケティング」を意識することは少ないと思いますが、今、少しでもこの記事に興味を持ってくれているあなたは、この「マーケティング」を理解できると、ビジネスパーソンとしてのスキル・視野が広がり、またビジネスの観点で、経営者に近い視点から物事を捉えることができるようになったりと、あなたの人生を豊かにしてくれるスキルを得ることができるでしょう。
この記事を読んでいただければ、
- マーケティングの全体像を理解
- モノゴトをマーケティング的視点に捉える
- スキルやキャリア、ビジネスパーソンとしての世界を上げる
ことができるようになるでしょう。
これまで、マーケティングについて、ぼんやりとしか理解できていなかったと思う人でも、しっかりと「自分はマーケティングについて基礎的な理解ができている」という風に、意識が変わることでしょう。
お仕事や生活、さらには人間関係にまで大きな影響を与えることができる「マーケティングのパワー」を受け取っていただければと思います。
なぜ、マーケティングを学ぶ必要があるのか?
まずはじめに、なぜ、あなたはマーケティングを学ぶ必要があるか?を説明していきます。
マーケティングは、いうなれば、私達が生活する中で必要不可欠な「消費活動」や「生産活動」は、すべて「マーケティング」で説明することができます。
例えば、あなたが普段何気なく購入している商品やサービスであったり、ふらっと立ち寄ったお店で思いがけない商品を購入したりすることがあると思います。
これらは、すべて「あなたが気づかないうちにマーケティングされているから」です。外を見渡してみると、いたるところに「マーケティング」の結果を見ることができます。
あなたは、いち消費者として、誰かが商品やサービスを企画・製造(作成)・販売しているものを、意図してか意図せずか、それを購入して消費しています。
世の中のビジネスや経済はその繰り返しで積み上がり回っています。
あなたが消費者として行っている何気ない行動は、実はマーケティングによってもたらされた行動なのです。
あなたがマーケティングを理解すれば、なぜあなたがその商品やサービスを購入して消費したのかを理解することができるようになります。
逆に言えば、あなたが何かビジネスを行っている、あるいは、行っていこうと考えているときに、何を考えながらどんな行動をしていかなければならないかを、理論的に理解することができるようになり、あなたの事業を成長させることができるようになるでしょう。
ぜひ、この記事を読んでいるあなたは、「単なる消費者」としての立場ではなく、逆に、
商品やサービスを「提供する立場」になって考えていただきたい
何を行うにしても、この「マーケティング」という知識やスキルは必要不可欠なものとなり、あなたの武器になります。
今日からあなたは、マーケティングを行う「マーケター」の仲間入りです。ぜひ、これまでの逆の立場から物事を見てみましょう。
まとめ:マーケティングを学ぶ理由は、私達の消費活動が実はマーケティングされた結果であり、逆に提供する立場となったときに、そうしたお客様に対してのアプローチ方法をしっかりと理解、実践し、成果を出すため。
マーケティングを学ぶ方法
それでは、少しずつ本題に入っていきます。
実際にマーケティングを学ぼうと思っても、一体何から手をつけていけばいいのか、正直いろいろ有りすぎてわからないと感じたり、慣れない専門用語がたくさんあり、すこし難しく感じる人も多いと思います。
ここで一つ覚えておいて欲しいことですが、何かを学ぼう・スキルをつけようと思ったときは、まずは全体像を理解することから始めていきましょう。そして、次に細かい部分を埋めていきましょう。
断片化された情報を得る場合は、それぞれを再構築しながら、全体感を自分で作る必要がありますが、予め全体感がわかっていれば、それぞれのパートに当てはめて考えていくことができます。
ベースとなるマーケティングの基礎理論を説明していきます。
理論と言っても難しい数式や難解な言葉は出てきません。でも、ちょっとばかり難しく感じるかもしれませんの、そう感じる時は、その部分を2回読んでください。
この講義では、初めて出てくる言葉も必ず言葉の説明を入れていますので、一つ一つ理解しながら進めて行きましょう。その代わり、一度出てきた言葉は、しっかりと腑に落ちるまで理解して覚えていきましょう。
この記事で説明していく「マーケティング」は、すでに体系化されている「普遍のマーケティング」を説明していきます。普遍のマーケティングとは、原理原則に基づいた体系化されたものと思ってください。まずは、コアの部分を学んでいきましょう。
「最新のマーケティング手法」という名の様々な方法論が世の中には溢れていますが、それは、土台がしっかりしている人には大変価値ある情報かもしれませんが、土台がない人にとっては、単なる「それっぽい情報」にしかすぎません。
この記事で学び土台を作れば、将来、たとえ断片的な記事を見てノウハウを見つけたとしても、それがなぜ重要なのか?どこで役立つのかを自然と理解することができ、存分に活かすことができるようになります。
学び方のヒント
学習するときは、一気に学習することが必要。そして、学んだことは、必ずアウトプットしてみよう。あなたは行動できる人でしょうか?もし、Yesなら、まずは、このサイトをSNSでシェアしてみましょう。
ちょっとばかりあなたの感想を入れてシェアしてみてください。
Tweet to @SaaSLab_Cloud
まとめ:まずは、マーケティングの全体像を把握することで、原理原則を理解する。あなたの中で理論を理解し、あなたの行っていることにおいて、応用することができれば、それを実際に事業に活かすことができ、目標を達成することができます。
「マーケティング」という言葉の定義
マーケティングを説明している人や本、ブログ・サイト、人によってもその定義は様々です。
いくつかの組織や人が定義している「マーケティングの定義」をご紹介します。
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。(by日本マーケティング協会)
マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。(by アメリカマーケティング協会)
マーケティング(英: marketing)とは、企業や非営利組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である。(by ウィキペディア)
色々な言葉がついているので、回りくどい言い方かもしれませんが、だいたい同じようなことを言っています。
「総合的活動」や「プロセス」、「全てを表す概念」といったように、かなり広範囲を表す言い方だと感じます。
そして、マーケティングの定義の説明で、必ずでてくる2人の名前があります。
マーケティングの目的は、販売を不必要にすることだ。マーケティングが目指すことは、顧客について十分に理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにすることだ(by ピーター・ドラッカー)
マーケティングとは、個人や集団が、製品および価値の創造と交換を通じて、そのニーズやウォンツを満たす社会的・管理的プロセスである。(by フィリップ・コトラー)
この2人の名前は、あなたも聞いたことがあるかもしれません。彼らが築き上げた、マーケティングの理論や手法、そして経営学にいたるまで、非常に有名な人なので、ぜひ名前も覚えておきましょう。彼らが書いた書籍や専門書も多数販売されているので、より詳細に学ぶのも良いかもしれません。興味がある人は、本を読んでみましょう。
ピーター・ドラッカーの書籍(Amazonサイトへ)
フィリップ・コトラーの書籍(Amazonサイトへ)
マーケティングの定義
このサイトでも、一応わかりやすくマーケティングという言葉を定義していきましょう。
マーケテイングの定義は、シンプルに「利益を最大化させるために必要な、全ての活動」とします。もはや、「全部」ですね(笑)
実際、「マーケティング」という分野が占める範囲は、事業活動においてとてつもなく広い分野にわたります。
もちろん、実際は、部門や担当業務に分かれていますが、そうしたものは、「マーケティングの分野で言えば、どこどこにあたる」という様に、言い換えることができます。
一気に、全てを説明・理解することは不可能なので、まずは全体像を捉え、大きな粒度で内容を理解し、さらに細かな粒度については、他の記事や参考書籍、そして実践しながら知識を深めていきましょう。
マーケティングの基礎理論
それではここから本題に入ります。マーケティングの基礎理論を学習していきましょう。
マーケティング理論を説明するために、販売者がお客様に商品やサービスを届けるまでの流れを分解して考えます。
例えば、何でも良いのですが、あなたがなにか商品やサービスを提供する立場の人間として考えていきましょう。
すでにあなたが何か商品やサービスがあることを前提に説明していきますが、例が思い浮かばない人は、アイスクリーム屋さんになった気持ちで読み進めてください。
基礎理論の全体像
これから原理原則・普遍のマーケティングの全体像について説明していきます。しっかりと各フェーズを覚えてください。
マーケティングの全体像は、以下の様になります。
- 認知(集客)
- 見込み客獲得
- 商品の提案・販売
- リピーター・ファン化
これら4つのフェーズには更に細かく別れますが、一番大きな括りとしては、上記の4つであることを強く認識しておいてください。
1. 認知(集客)フェーズ
まず、認知・集客の段階です。どのような商品やサービスでも、まずは誰かに知ってもらうことが必要です。「認知」とは、「知られて認められること」です。
認知を広げて、興味関心のある見込みのあるお客様候補を探し集客していきましょう。
たとえ、あなたがどんなに革新的な商品やサービスを企画・制作しても、誰かに知ってもらうための「広める」行動をしなければなりません。
誰にも知られない商品やサービスは、個人世界で終わる趣味と変わりません。
認知を広げる方法は、家族などの身近な人から、同僚や知人、SNS上で発信したりと、様々な方法があります。
この認知のステージでは、「誰に・何を・どうやって」認知させるか、ターゲッティングが必要になります。このターゲッティングするために、理想のお客様像を見立てた「ペルソナ」を作る事が良いでしょう。なぜなら「ペルソナ」を作ることで、認知を獲得するために必要な「言葉」が変わってきます。また、「デザイン」などにも影響してきます。
どんな人に届けたいか、目に止まりやすくなるか、そうした事を意識しなければなりません。
2. 見込み客獲得フェーズ
認知が広がってくると、次は、見込み客獲得の段階です。
あなたの商品やサービスに興味関心が有り、好意的な印象を持っている人は、お客様になる「見込みのあるお客様」です。これを「見込み客」といいます。英語では、「リード」や「プロスペクト」、「リスト」などと言います。
人や業界によって様々な呼び方で呼ばれます。ここで重要なのは「見込み客」を獲得するためには、何らかの連絡先を獲得する必要があります。
すぐに商品を販売したいと思いがちですが、相手を騙して購入させたり、すぐに買って買ってと言い寄ると、クレームの元になったり、お客様は逃げていきます。
お客様との関係値(信頼関係)を高めたり、お客様にどのような商品なのか、どのようなメリットが有るのか、その商品を購入するとどうなるのか、など、ベネフィットを提供していきます。
また、その商品についてまだ知らないことが多い見込み客の方も多いので、見込み客にとって価値ある情報を提供しながら、見込み客との信頼関係を築いていきましょう。
あるいは、様々な手段を用いて見込み客とコミュニケーションを取り、見込み客の解決したい課題や悩みなどをヒアリングすることもよくあります。
- 興味関心を持ってくれている人が、なぜ興味を持ってくれているのか?
- 見込み客が、どのような課題を解決しようと思って興味を持ってくれているのか?
そうした情報を集めることで、より商品やサービスをレベルアップさせることができる様になります。
3. 商品の提案・販売フェーズ
見込み客を獲得し、関係性が高まってくると、次にあなたは商品やサービスを提供・販売します。
「あなたの商品やサービスが欲しくてたまらない!」という状態になって初めて、商品やサービスの提案・販売するのが一番良いですね。
商品やサービスの内容を理解するためにも、見込み客の段階で必要な情報を提供しておくのが良いでしょう。
ある程度はWEBサイトなどで、商品ラインナップを公開していればお客様もなんとなく金額や提供される内容を理解していると思います。
しかしその間、見込み客は、その商品を購入検討するために様々なアクションを起こします。最近では、SNSですでに購入した方のレビューや感想、評判などを調べたり、同様の商品やサービスと比較したり、あるいは、身近な人に相談したりするかもしれません。
もちろん、商品やサービスの手のとりやすさや、どんな思いでその商品やサービスを購入しようか検討しているかによって様々です。
そして、あなたが提供する商品やサービスの内容・金額等によって、アプローチ方法は全く変わってきます。
ここでもしっかりとお客様と向き合って、商品やサービスの価値を提供しなければなりません。見込み客を集客していた段階とは少し違った観点で提案できます。
4. リピーター・ファン化フェーズ
お客様に商品やサービスを購入してもらったら、それで終わりではありません。
購入していただいたお客様が満足して商品やサービスを利用しているか、なにか不具合やトラブルはないか?と言うようなアフターサポートをする必要があるかもしれません。
すごく気に入って頂いたお客様には、再度商品を購入してもらったり、よりグレードの高い商品を購入してもらったり、さらには誰かに紹介してもらうこともできるかもしれません。
商品やサービスの提供者にとって、何度も利用してくれたり、誰か他の人にも紹介してくれることほど嬉しいものはありません。
逆に言うと、こうしたお客様との交流やさらなる関係性の構築を行うことで、リピーターやファンを作ることができます。
このフェーズでは、LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)を意識しなければなりません。(本来は、商品やサービスの企画段階で考慮する必要があります。)
LTV(ライフタイムバリュー)とは、1顧客が生涯に渡ってあなたにもたらす価値を意味しています。
例えば、5万円の商品を一生涯に1度購入する顧客のLTVは、売上ベースで50,000円です。
一方で、月1,000円のサービスを10年使う人のLTVはいくらになるでしょうか?
1,000x12ヶ月x10年=120,000円の売上になります。1回購入する方よりも、使い続けてくれるお客様のほうが、あなたにもたらす価値はとても大きいものになります。
最近、サブスクリプションという販売形態が一般的になってきましたが、こうした将来に渡って継続的に取引を続けるほうが、あなたにとっても利益のあるものですし、お客様もそれなりの理由があり使い続けてくれるのです。
お客様に継続して利用していただくために、お客様とのコミュニケーションや信頼関係の構築、さらには新商品の提案などを行っていくことができます。
将来に渡って、あなたの商品やサービスを購入してくれる「ロイヤルカスタマー」をたくさん作っていきましょう。
まとめ
マーケティングの基礎理論の全体像は、
- 認知(集客):まずは知ってもらう
- 見込み客獲得:信頼関係を構築して連絡先獲得
- 商品の提案・販売:お客様から求められる
- リピーター・ファン化:ロイヤルカスタマーへ
の4段階であることをしっかりと理解しておきましょう。
各フェーズで行うこと
さて、マーケティングの基礎理論(全体像)が理解できたところで、それぞれのフェーズでどのようなことを実際に行うべきか例を上げてみましょう。
ここで出てくる例は、業種業界によって様々ですし、必ずやらなければならない訳ではありません。また、全てを一度に完璧にしようと思うと挫折するので、適宜数値を用いて状況を把握しながら、「何の数字を上げるために、どのような行動をするか、そして結果はどうだったか?」をPDCAサイクルを回しながら改善して成果を出し続けましょう。
認知(集客)で行うこと
リアル:テレビ、新聞、雑誌、イベント参加 など
ネット:ネット広告、SEO、ブログ、SNS など
見込み客獲得で行うこと
リアル:展示会、新聞、雑誌、パンフレット・チラシ、セミナー、商品説明資料、比較検討資料、価格資料 など
ネット:ネット広告、SEO、ブログ、SNS、オンライン展示会、メール配信、オンラインセミナー、マニュアル配布、事例紹介、FAQ、価格比較、資料ダウンロード、体験、コラム、ノウハウ、見込み客向け会員サイト など
商品の提案・販売で行うこと
リアル:プレゼン、提案書、クロージング など
ネット:資料ダウンロード、体験、クロージング など
リピーター・ファン化で行うこと
リアル:勉強会、交流会、各種イベント など
ネット:オンライン勉強会、オンライン交流会、各種オンラインイベント、コラム、ノウハウ、メール配信 など
まとめ
各フェーズの「〇〇をするために、□□という行動をすると、△△という結果を期待できる」という3点セットで常に考えていきましょう。
あなたの商品やサービスを販売するために、それぞれのフェーズで少しは何をすれば良いかイメージがつきますか?
そして、それぞれの効果がどれほどあったかをしっかりと確認しておかなければなりません。
こうした計測は人間の力だけでは限界があるので、ツールに頼るのも良いでしょう。
終わりに
最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事の目的は、これまであまりマーケティングに携わったことが無い方向けに、一番基礎となるマーケティングの理論をご説明いたしました。
今後も、記事の内容をさらに掘り下げていく予定ですので、ぜひブックマークやSNSなどをフォローしていただければと思います。
Twitterなどでこの記事をシェアしていただくととても嬉しいです!ぜひよろしくお願いいたします。